脱炭素って何? 脱炭素社会実現に向けての取り組みを交えて解説します!

2021/7/12

近年、気候変動のリスクが多くの人々に認識されるようになりました。

世界的な気温の上昇や豪雨、山火事などの災害は気候変動の影響を受けていると言われています。

気候変動の原因の一つとされているのが地球温暖化です。化石燃料の使用によって大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、温室効果ガスによる熱の吸収が増えた結果、気温が上昇するようになりました。

今日において二酸化炭素を含む温室効果ガスの抑制はグローバルな課題となっています。

そこで今回は、気候変動の抑制を考える上で重要なキーワードである「脱炭素」についてわかりやすく解説します。

脱炭素をめぐる国内外の動向や企業が行うべき具体的な取り組みについて見ていきましょう。

脱炭素とは?

炭素を主成分とする化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が排出されます。この二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを「脱炭素」と言います。

二酸化炭素の排出量が「実質ゼロ」とは、以下のような状態を指します。

 ・人為的活動によって排出される二酸化炭素の量と消費(吸収)される量が釣り合っている状態

 ・人為的活動によって排出される二酸化炭素を封じ込めることで均衡を保つ状態

これらが気候変動を抑制するために達成されるべき状態とされています。

脱炭素社会をめぐる日本と世界の現状

脱炭素社会の実現に向けた取り組みを知るために、世界と日本の現状について確認しておきましょう。

世界の状況

2015年12月にパリ協定が採択され、21世紀の後半には二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡を達成することが目標として定められました。

これを受け、世界126の国と地域が2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指しています。パリ協定の採択は世界が脱炭素社会に向けて前進するための大きな契機になりました。

また、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsでは、気候変動への対策やクリーンエネルギーへの転換などを含む17の目標が掲げられました。

さらに世界経済フォーラムが公表する「グローバルリスク報告書 」でも、異常気象や気候変動などの発生リスクが年々高まっていることに警鐘を鳴らしています。

このように、世界中が脱炭素社会の実現に向けて動き出しています。

日本の状況

そんな中、日本政府も気候変動への対策を打ち出しています。

菅 義偉首相は2020年10月の所信表明演説で、2050年までにカーボンニュートラル※脱炭素社会の実現を目指すと宣言しました。

※カーボンニュートラル(=脱炭素):二酸化炭素の排出と吸収が同じ量であり排出量が「実質ゼロ」になるという考え方。

菅首相は次世代型太陽電池やカーボンリサイクルなどの技術が脱炭素社会実現の鍵になることにも触れており、革新的イノベーションへの期待も高まっています。

参考:環境省     発表資料「2019年度(令和元年度)の温室効果ガスの排出量」

日本国内の各温室効果ガスの排出量の推移を見ると、2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故後上昇を続けたものの、2014年から毎年二酸化炭素の排出量が減少していることがわかります。

今後も環境イノベーションの発展と合わせて、二酸化炭素の排出量を減少させる取り組みを続けていくことが求められます。

国際ビジネスイニシアチブによる気候変動への取り組み

気候変動や災害リスクを防止するためには、省エネやクリーンな再生可能エネルギーへの転換により、脱炭素社会を実現させる必要があります。

ここでは、具体的な取り組みとして、気候変動対策のためのイニシアチブについて解説します。

気温上昇を2℃未満に抑える「SBT」

SBTは「Science based targets」の略称で、産業革命以来の気温上昇を2℃未満に抑えることを目指して、温室効果ガスの削減目標とその達成を目指すイニシアチブです。

2022年9月現在、日本は247社が参加しており、国別で見ると世界3位となっています。味の素や京セラ、三菱電機などの大手企業がSBTに取り組んでいます。

参考:環境省発表資料 「SBT概要資料」

電力を100%再エネで調達する「RE100」

RE100は「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業で使う電力を100%再エネによって調達することを目指すイニシアチブです。

RE100は国際NGO団体「クライメイトグループ(The Climate Group)」が運営しています。

2021年4月現在、日本は国別でみるとアメリカに次ぐ世界2位(アジアで1位)の55社が参加しており、パナソニックや第一生命、富士通など大手企業が再エネの活用に取り組んでいます。

参考:JCLP RE100参加日本企業

例えば、RE100に参加しているソニー株式会社は、世界中のソニーグループがオペレーションで使用する電力を2040年までに100%再生可能エネルギーにすることを掲げています。

また、イオン株式会社では、国内外の約300モール、総合スーパー約630店舗の二酸化炭素排出量を2050年までにゼロにする目標を掲げています。

エネルギーの効率を向上させる「EP100」

EP100は「Energy Productivity 100%」の略であり、省エネ効率の改善を目標に掲げる企業が参加する国際企業イニシアチブです。

同じ消費エネルギーであっても、経済生産性を2倍にすることができれば、企業はエネルギーコストの削減や競争力の強化を達成できます。

このように、EP100は環境負荷の軽減と経済効率性を両立させるための持続可能なイニシアチブと言うことができます。

EP100は、RE100と同様にクライメイトグループが運営を担っており、日本企業は2021年3月現在、大和ハウス工業株式会社、NTT、大東建託株式会社の3社が参加しています。

RE100とEP100は両者とも気候変動に対応するためのイニシアチブですが、RE100は再エネの創出や活用を目的としているのに対し、EP100は省エネを目的としています。

EP100によって消費エネルギーを最小化し、残りのエネルギーをRE100によって再エネに転換することで、脱炭素社会を実現することが期待できます。気候変動に対応するためには両者ともに必要な取り組みと言えるでしょう。

輸送時の大気汚染を防ぐ「EV100」

EV100は「Electric Vehicles100%」の略であり、世界中で発展する輸送部門の二酸化炭素排出を抑え、輸送の電化などを目指す国際イニシアチブです。

2021年3月現在、日本企業からはイオンモール株式会社、アスクル株式会社、NTT、東京電力ホールディングス株式会社、株式会社髙島屋の5社が参加しています。

脱炭素社会実現のために企業が取り組むこと

RE100、EP100、EV100などの取り組みからもわかるように、脱炭素社会実現に向けて二酸化炭素排出量の削減再生可能エネルギーの活用を推進すること喫緊の課題となっており、各企業の取り組みが進展しています。

例えば、アップル社は2030年までにサプライチェーン全体の脱炭素化を達成することを掲げています。

つまり、アップル社は今後部品の製造をする取引先などにも脱炭素社会実現のための取り組みを求めるということになり、対応できない企業はサプライチェーンから除外されてしまう可能性があるのです。

このように、脱炭素社会実現のために取り組まない企業は今後サプライチェーンの競争から淘汰されてしまう可能性があります

また、ESG投資やTCFDの観点で見ても、環境や社会問題などに取り組んでいる企業が注目されており、こうした取り組みは安定した資金調達のためには必要な要素となっています。

事業のカーボンニュートラルを目指すことは、環境負荷の軽減だけでなく経営面でのリスクを回避するためにも必要不可欠になっています。

※ESG投資:従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のこと

※TCFD:気候関連財務情報タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の略称で投資家が適切な投資判断ができるよう、環境への取り組みや対策状況を財務情報に記載する旨を企業へ促すための取り組みのこと

脱炭素社会を促進するために

脱炭素社会を目指すには、企業が気候変動などのリスクを認識し、対策することが必要です。

エナリスでは環境にやさしい電力を提供し、企業の脱炭素をサポート。また、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を用いた省エネサポートや太陽光発電設備・蓄電池の導入サポートを通じて、さらなる脱炭素化を推進しています。

こうした実績への評価と、当社のお客さまでありRE100認定企業3社からのご推薦により、日本で3社のみが認められるCDP認定再エネプロバイダーに認定されました。

詳しく知りたい方はこちらを読んでください。

CDP認定再エネプロバイダーとして企業の脱炭素を推進

現在、脱炭素化に取り組むことは企業が抱える重要な課題となっています。

脱炭素化に取り組みたいが「何をどう始めれば良いかわからない」「何を目標として設定すれば良いかわからない」等疑問をお持ちのお客さまはエナリスにぜひご相談ください。

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